発売中の『Jリーグサッカーキング』は、今をときめく湘南ベルマーレ特集。巻頭の永木亮太インタビューを始め、遠藤航、大倉智社長のインタビューを担当させてもらいました。

キャプテンの永木は、チームスタッフいわく「ど天然」なキャラクターの持ち主。でも裏を返してポジティブに解釈すれば、何かに左右されない確固たる自分があるということだったりする。ふわっとしてズバッと断言する感じは聞いているこちらにとってとても心地よく、「ベルマーレでプレーすることが代表への近道」という考え方も絶対に間違っていないと思えた。

遠藤とはちょっとした縁があって、3年ほど前からの顔見知り。彼は高校サッカー部の先輩の教え子で、毎年正月に行われる母校の「初蹴り」にひょっこりと顔を出してくれる。いまや押しも押されもせぬ有望株の一人。何がいいって、攻撃とか守備とかじゃなく「サッカーセンス」が抜群にいい。たぶん一試合の中で「自ら仕掛ける駆け引きの数」は圧倒的に多いんじゃないかな。だから、ずっと見ていても飽きない。

で、今回の取材で最もグッときたのが大倉社長である。

インタビューは約1時間。でも誌面に落とし込めたのはほんの一部で、本当は会話のすべてをそのまま文字にしたかったくらい。何より驚いたのは、インタビュアーであるこちらにもバンバン質問してくれること。「これはどう思う?」「あれはどう?」「どうしてライターになったの?」などなど、そのうちこちらもヒートアップして、図らずもいろんな話を聞いてもらうことになってしまった。

大倉さんと話して痛感したのは、どんな規模のクラブでも「トップの3人がスーパーなら成功する」ということ。眞壁会長、大倉社長、曺監督の3人が作ってきたクラブは、大きな野心とポジティブなオーラに満ち溢れていて、結果的には雑誌全体にまで心地いい読後感を漂わせてしまった。まあ、よく考えれば当たり前のことなんだけど、それはそれで新しい発見だった。

中学時代に藤沢のクラブチームでプレーしていた自分にとって、ベルマーレはフジタ時代からのライバル。だからなかなか応援する気にはなれなかったんだけど、そんな積年の敵対心を一掃する楽しい取材だった。頑張れベルマーレ。ベルマーレのフットサル場で開催される個サルに週に一度は参加して、わずかでもお金を落としたい――このクラブがホームとする7市3町の市民町民がみんなそう思うようになったら、なんかすごいことになっちゃうかもしれない。

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