初めてちゃんとテレビ観戦したW杯は1990年イタリア大会で、とにかくアルゼンチン代表が好きだった。ブラジルとの決勝トーナメント1回戦は、たぶん、いま見たら「探り合い」ばかりでシブい試合だなーと思うかもしれないけど、小学5年生当時の興奮とその思い出を含めて、自分メモリー史上トップ10に入る名勝負だ。

あのチームは、マラドーナのチームであって、決してマラドーナだけのチームじゃない。カニージャ、ルジェリ、ゴイコチェア、ブルチャガ、バスアルド、トログリオなどなど、「(ヘアスタイルとか名前の響きを含めて)ピッチの上では個性しか発揮しませーん」みたいな選手ばかりで、テレビで見ると余計に華があった。

なのに、マラドーナ以後のアルゼンチンは好きでも何でもない。バティもベロンもリケルメも、メッシにさえも全くトキめかない。ただ、なぜか一人だけ例外がいて、そいつがコイツ、ダレッサンドロである。ボールを置く位置と上半身が水平移動するようなあの身のこなし、やろうとしていることが全く読めない憎たらしさがとんでもなく好き。もし一対一で向き合ったら、5タッチで5回マタ抜きされる自信がある。

フクアリからの帰路、人身事故でダイヤが崩壊した電車内でふと思い出してしまったばっかりに、YouTube でヤツのプレーを見まくった。ああ、アイマールと黄金コンビを組んだサラゴサ時代もいいよね。たった一人でレアル・マドリーをコテンパンにした試合が忘れられない。